「違う?」が意味するあまりに多くのこと(喪151)【わたモテ感想その3】

 

皆さんわたモテ喪151〈モテないし勝利する〉は読みましたか? あまりに濃厚なゆりもこ回で読んでて頭がおかしくなりましたね、漫画で軽率に人を殺すのをやめて欲しい。億が一最新話を読んでいない人が居たら下記リンクから即読もう。わたモテ読んだことねーよ、昔は読んでたけど最近読んでねーよという人もとりあえず最新話から読もう、現在地球上で一番面白いかも知れない漫画なので。以下ネタバレありのわたモテ感想その3です。

 

 

www.ganganonline.com

 

 

kanzo1984.hatenablog.com

 

 

 

というわけで、喪151を何回も何回も読み返しています。もこっちの「違う?」がとても印象的で、ここについては考える余地が大きいなーと思い。「違う?」「普通に邪魔するか?」ってほぼモノローグじゃん。思ったことをそのままストレートに話している。これは衝撃的なことで。というのも、もこっちは脳内で考えていることは大分エキセントリックだけど、実際に外に現れる言動は割と常識的だから。それをゆりちゃんの前だと今やここまで油断というか、リラックスしてしまうのがホント驚きでした。

 

 

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リラックスっち

 

 

《このシーンまでのあらすじ》

校内球技大会の卓球で一人だけ負けを重ねるゆりちゃん。ネモに煽られた悔しさからか、卓球が上手なもこっちを連れ出し2人で学校近くのネットカフェへ。卓球を練習したりダーツで遊んだりした後、ネカフェの個室で2人漫画を読んでダラダラしていると隣の部屋のヘテロカップルがおっぱじめやがった! キレたもこっちは「エロ動画流してこっちがエロい雰囲気なったら勝ちだから!」とゆりちゃんとヘッドホンを分け合い対魔忍大麻人動画を見始めるのだった……。

 

 

面白過ぎるのであらすじをまとめただけで罪悪感が凄い。

 

 

まあそれはともかく。これ、多分ゆりちゃん以外の他の誰と一緒に居たとしても絶対に出てこない言葉ですよね。長いぼっち生活で染み付いた、たとえ一人でも楽しい時間を過ごせるように創意工夫を凝らす癖が、つい友達が隣に居るにもかかわらず表に出てきてしまったというか。「これよりもっと面白いイタズラがあるよな…」という気付きがあり、それを即実行に移す、これは一人で行動する時のスピード感です。「別にゆりちゃんにはいちいち確認取る必要も無いでしょ?」という無言の信頼が伝わってくる。愛ですね…

 

 

今回強く感じたのは、もはやもこっちとゆりちゃんは〈完全に対等な関係〉なんだなーということ。大抵の場合、一見対等に見えたとしても微妙な上下関係がどうしても生まれちゃいますよね、引け目や尊敬や感謝などまあ色々な要因によって。天秤が完全に釣り合うことってそうそう無い。ところがこの2人はちょうど微妙なバランスで釣り合っているように見える。自覚的な好意としてはゆりちゃん→もこっちの方が強いけど、もこっち→ゆりちゃんには無自覚な安心感を求める強い矢印がある(安心毛布的な)。お互いにバカだなーと思っているし強くリスペクトし合ってもいる。さらに「友達」と呼び始めたのはゆりちゃんから、下の名前で呼び始めたのはもこっちから。お互いが少しずつ引っ張ったり引っ張られたりしながら、いろんな経験を重ねていくのがマジで良すぎる。。。

 

 

 

 

今回の、まるでもこっちがぼっち時代にやっていたような馬鹿なことをゆりちゃんと2人でやり直すこと、これはぼっち時代の供養でもあり、現在との接続でもあり、ニコ先生が6年前のインタビューで語っていた「ぼっちがリア充になる展開が嫌い」へのアンサーでもある。つまり、もこっちは本質的なところは連載初期のぼっち時代とそんなに変わっていないんじゃないでしょうか。一人だろうが複数人だろうが、その時その時で貪欲に楽しさを追い求めていて、今はそれをほぼ同じ目線で分け合える悪友が出来た、というだけで。まあそれが何より大きく、得難いものなんですけど。

 

 

news.nicovideo.jp

 

 

この日は2人にとって人生最良の一日じゃないかとすら思ったけど、きっと2人はこれからもこういう日々を当たり前のように積み重ねていくんでしょう。良い最終回だった(終わってない)。本エピソードのテーマは〈勝利する〉だけど、ネモゆりや卓球場カップルやいろんな勝負があったけど何と言っても一番は、ゆりちゃんともこっちが共に人生に勝利した、ですね。