咲-Saki-との出会い、からの魅力紹介、あるいは布教活動

阿知賀編13話ニコニコ生放送まで暇なので何か書く。咲-Saki-との出会いでも。

 

咲-Saki-との出会いは去年の4月、阿知賀編のアニメ放送だった。1期を見ていなかったのであんまり話も分からず何となくぼんやりと見ていた。麻雀のルールも知らないし、それほどひっかかるものも無かったのでそのままだったら通り過ぎるだけの作品だったと思う。

 

しかし阿知賀編がやきうか何かで放送されなかった週に、某渡辺さんが猛烈に嘆き悲しんでいたのを見て気になり始める。「虐殺器官」も「ストライクウィッチーズ」も「ミルキィホームズ」もこの人のオススメにハズレは無かった、主に狂気的な意味で。そこから咲-Saki-シリーズ全編コンプリートへの道が始まった。

 

 

まずはニコニコ動画阿知賀編を見なおした。えーと3話か4話くらい? 池田が登場してコメントが「池田ァ!」で埋め尽くされたのが意味不明だった。1期から見てれば分かるのかなー程度に思っていたが、こういう病的な愛され方をしているキャラが一人や二人では無いのがやたらと気にかかった。シロが出ても弾幕、タコスが出ても弾幕(これは釘宮病患者か)、モモが出ても弾幕、主人公(咲)が出るとなぜか「魔王」弾幕。これはちょっと異常なことだ。たいていの作品では一番人気キャラってのはある程度定まっていて、そのほかに一人二人がそれに次ぐ人気ってのがパターンだと思う。しかしこの咲-Saki-シリーズではそれこそ主人公をやれそうな人気のあるキャラがぱっと見でも10人以上いる感じ。おかしい。これは作者・小林立の怪物的なキャラ立て能力によることが後に分かる。一つの試合をやると単純に10〜15人登場人物が増える設定で、なおかつ全員のキャラを立たせることができるというのはちょっと人間業とは思えない。

 

続いて1期をニコニコでパック購入、一気に全編見る。決勝での「リーチせずにはいられないな」弾幕で大爆笑、池田人気の元を知る。

 

しかしそれでもニコニコのコメントでお池田のあの異常な愛されぶりはちょっと説明できない。釈然としない中こんな記事に出会う。

 

【池田ァ!】“ウザかわいい”という概念を完成させた『咲-saki-』の池田華菜。

 

こちらで紹介されていた当時の実況板の盛り上がり(16話17話18話)を見てやっと納得、というか『咲-Saki-』の楽しみ方の本質に触れた気がした。なるほど、これは作品を見るだけじゃなくて見た奴らで好き勝手騒いで楽しむものなんだな。当時の祭りに参加したかった・・・。

 

そこから原作漫画も読み込む。一期アニメと漫画どっちを先に見たんだっけな・・・。しかしヤングガンガン連載の『咲-Saki-』、ガンガン掲載の『咲-Saki-阿知賀編』、ビッグガンガンの『咲日和』、そしてアニメの1期2期、ハズレがひとつもない。これだけメディアミックスに恵まれる幸福な作品ってそうそうないと思う。そして漫画ではアニメよりもさらにぱんつはいてない描写が徹底されていた。ぱんつはいてないかどうかは認識できない、確定していないという人がいるけど、いやあれははいてないだろ。

 

そういえばこの作品ではみんなノーパン・ノーブラなので目の保養的に大変よろしいと思います。

 

 そしていよいよ咲SSに出会う。これは主にレスター伯さんの紹介によるところが大きい。特にカンちゃんシリーズ(第一作)のインパクトは忘れられない。全6作の大長編。愛と狂気と感動とホモ。同じくらいの時期に同じくレスター伯さんのオススメツイートからなんJに出会う(というか俺の場合はNANじぇいか)。ちゃくちゃくとなんJ語、もとい淫夢語を習得。日常会話程度の使用は可能なレベルに。

 

去年の6月から9月はこのカンちゃんシリーズの連載を楽しみに追っていた。主人公の咲が腐女子かつサッカーオタクという設定から、見事にあれほどの大作に仕上げたなあ・・・。そういえば、「連載を楽しみに追う」ということ自体久しく体験していなかったように思う。実際このグルーブ感、結末がどうなるのかまだ誰も知らないコンテンツを皆で追っかける楽しみにはなかなかの中毒性がある。咲SSについてはレスター伯さんのまとめがお見事すぎて鼻血が出るのでそちらがオススメです。

 

最近は咲-Saki-まとめアンテナを見ては面白そうなサイトを時間の許す限り巡回しています。しかしこのコンテンツの愛されっぷりはすごい。なんででしょうね。この作品だけで巨大なコミュニティが発生していて、とんでもなく面白いことになってとどまることを知らない。この辺の原因を考えるだけで結構な時間を潰せそう。

 

ぱっと思いつくところだと、キャラクターの数が膨大で、本当に多様な人々が出てくるところ、そしてひとりひとりのキャラクターが「生きている」からだろうなあ。とにかくこの小林立という人はキャラクターの立て方が上手い。異能と言っていいレベル。その異能ぶりを良く表しているのは、「理想のキャラクター」が作中に存在しないことだと思う。かわいい女の子が沢山登場する作品なんだけど、「一番の美少女」がいない。この辺は浦沢直樹あだち充とかとは対照的。主人公の親友の原村和やちょいキャラの佐々野いちごなど、作中で「アイドル的な人気を誇る」とアナウンスされる存在はいるけれど、それが一番人気かといえばそうでもない。いわゆる漫画の一般的な基準では美少女カテゴリーからは外れるだろう、ジト目持ちの愛宕洋榎がNANじぇい人気投票で第一位だったりする。俺も愛宕ネキは大好きです。

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愛宕洋榎

 

ちなみに管理人が一番好きなのは末原先輩。その前は長らく竹井部長が一番好きだったけど。絶対的な力量差にもくじけず知力と勇気と粘り強さでなんとかしてしまうキャラクターって大好き。ベイビーステップのえーちゃんしかり。

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末原恭子

 

準決勝は姫松の勝ちあがりを切に願っています。人外の跋扈するあの世界で能力者(この単語からしておかしい)が一人もいないという時点で相当に熱い。愛宕ネキは微妙なところだけど。あとアニメ3期での姫松の声優が誰になるかが悩ましすぎてここ数ヶ月気が気でない。中津真莉子さんはネキよりは末原先輩のような気がする。いや、声の相性だけで言うならば絹ちゃんなのか・・・! とにかく実質2回戦の主人公にあたる末原先輩の声優が誰になるかで全国編の評価は割れそう。

 

キャラクターの魅力で言えば、名前にもそれぞれ由来とかあるらしい。宮守女子などが顕著。まじ作者のもの書きとしての姿勢には五体投地だわ。。。

 

あともう一つ挙げると、徹底したロケハンが支える背景の美しさ。こんなサイトもあるくらい、実際にある風景を拾ってきているらしいんですよね。 物語にてっとり早くリアリティを付与するにはこの手法ってかなり有効です。なんでって、風景って一人の人間が作れるものではないから。自然の風景は言うにおよばず、人工物にあふれた都市の風景ですら、あれは多くの人間の意図の集合の結果であって、ごっちゃごちゃに人の思考や感情がミックスされている。そういうものを一人の人間が想像だけで作るのは相当に手間がかかるし、無理がある。その点「ドラえもん」なんかの背景ってかなり簡素化されてますよね、あれはそのまま「これはフィクションですよ」って表明になっている。

 

背景のリアリティがとんでもないといえば京アニが真っ先に思い浮かびますが、今では結構メジャーな手法になってますよね。ピーエーワークスとかも相当すごい。このへんシャフトとかは風景は幾何学模様とかで済ませて逆にフィクションとしての純度を高めてるように思う。

 

こうしたもろもろが、基本としての作品世界の強度を高めている。そのがっしりした土台の上で、感想スレで盛り上がりたい人、SSを読んで自由に妄想を深化させたい人、イラストを書きたい人、それぞれが好きに遊んでいる感じ。二次創作のプラットフォームとして適しているんでしょうね。これいろんなヒントになるんじゃねーかな・・・。

 

と多分多くの人がとっくに考えているであろうことを今更考えてみた。そろそろ時間なのでニコニコに移動します。ロン(物理)が楽しみ。