【シノハユ】白築慕=小泉八雲説

この間なんとなく小泉八雲ラフカディオ・ハーン)の資料を読んでいたところ、シノハユの主人公の白築慕ちゃんに通ずる点を多数発見しました。まずはざっくりと小泉八雲の人物紹介。Wikipediaでも見てもらえばより詳細に分かります。

 

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パトリック・ラフカディオ・ハーン [1850-1904]

ギリシア出身。父親がアイルランド系イギリス人で母親がギリシア人。父親が浮気し、母親は夫に捨てられたショックで精神を病んでしまい、息子のパトリック少年は幼い頃から両親ではなく親戚に育てられる。その後アメリカに渡り新聞記者・作家として活躍するが新聞社との関係はイマイチで後に決別する。1890年にかねてから強い興味を持っていた日本に移り住む。日本でも各地を渡り歩くも教職に文筆に充実した日々を送る。家族にも恵まれる。東京で大学講師を勤めていた1904年に54歳で逝去。日本では「ろくろ首」や「耳なし芳一」などの怪談で特に良く知られている。

 

両親が不仲だったり16歳で左目を失明したりと若い頃から踏んだり蹴ったりで、文筆の才能で頭角を現すもいまひとつ上手く行かず、40歳手前で日本に移住したら何だかやたらと日本の水が合って良い晩年を過ごせましたホント良かったね、という人だと思います。日本でもファンは沢山いるイメージ。

 

 

 

以上前置き。では白築慕ちゃんと関係ありそうな点を列挙してみます。

 

幼いころより両親とは暮らさずに大叔母に育てられる*1 →慕ちゃんも父親が物語開始時点で居らず、母親も10歳の時に失踪、以降叔父に育てられる

リチャードという名前の叔父がいる*2 叔父のあだ名がリチャードソン

ハーン家の紋章が鳥(高翔する白鷺)*3 シノハユでも鳥、イーソーがキー

1890年の訪日の際、まず横浜に入りその後島根の松江に移り住む*4 →慕ちゃんも以下略

 

 

以下咲-Saki-ワールドに関係ありそうな傍証も少し。

 

「八雲」の由来→古事記にある日本最古の和歌「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を」*5小走やえ

最晩年、東京で大学講師をしていた時期、毎夏のように家族で静岡の焼津を訪れては海水浴を楽しんでいた。焼津の魚屋の山口乙吉の人柄に惚れ込みその家に逗留するが、その乙吉の末娘・を非常に可愛がる。*6宮永咲

 

 

 

どうでしょうか。私は近くにいる人が「先行ってるね」と言うのが「咲-Saki-いってるね」に聞こえる程度の咲-Saki-脳なので、客観的な判断が出来ているかあまり自信がありません。リチャードも咲も特別珍しい名前という訳でも無いし、ヨーロッパの神話でも主神が鳥だったりするし…。でも日本神話に所縁の深い咲-Saki-ワールドと、日本の伝統文化や神話、怪談や伝承にぞっこんで海外に紹介し続けていた小泉八雲とに繋がりがあるのはそれなりに自然なことだと思います。

 

文学アルバム 小泉八雲

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新編 日本の面影 (角川ソフィア文庫)

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怪談―不思議なことの物語と研究 (岩波文庫)

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ぜったいこれもう誰かが記事にしているよな…と思ってざっと検索したけれど特にヒットしなかったのでこれ幸いとアップしてドヤ顔します。俺の方が先に言ってたし!という人は教えてください、ドヤ顔をひっこめます。

 

 

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【2018年3月22日 追記】

 

ちなみに「ラフカディオ」って小泉八雲の出身地のレフカダ島から付けられたらしく、「白い岩」を意味するとかなんとか。

 

レフカダ島 - Wikipedia

 

もう大分前に見つけてはいたのですがすっかり追記するのを忘れていました……。なんとなく「白築」に対応しそうですね。あと掘り下げられるのは残る「パトリック」や「ハーン」ですが、めぼしい情報は見つけられませんでした。こうした名前に詳しい方でもし何か心当たる点があれば教えてもらえると超嬉しいです。

 

 

*1:p33『〈増補新板〉文学アルバム 小泉八雲』発行:恒文社

*2:p29 前掲書

*3:p29 前掲書

*4:p77-79 前掲書

*5:八雲 - Wikipedia

*6:p114 前掲書