ヤンガンとビッガン、物理電子どちらを買うべきか問題

今朝Amazonからヤングガンガンビッグガンガンの最新号が届いた。両方ともにKindleで購入して既に読んでいたが、5年前から咲-Saki-シリーズの掲載雑誌は全て購入してスクラップしているので何となくそのコンプリートを崩すのが惜しく、また物理版は電子版と違いいつまでも購入可能とは限らず念のため手元に置いておきたいと思ったので。 

 

 

  

 

それで物理版ビッガンの咲日和を改めて読み直したところ、その体験の「親密さ」に驚く。読書時に受けるこうした電子版と物理版の印象の違いというのはこれまでも度々感じていたので少しまとめておきたい、というか物理版のアドバンテージに改めて驚いたという話。

 

だって物理版、画面に顔を近づけると勝手に拡大されるんだよ、しかも見てるところ以外も視界から切れたりしない。何この超機能。勿論電子画面でも顔を近づければ良いんだけどあんまりそうしようという気にならないんだよね、目が疲れるし。電子版は拡大するとドットの粗さが目につく。あと基本的にタブレット見る時はブルーライトカット眼鏡をかけるのでそういう意味でもフィルターがある。電子版は遠い、遠いのだ。また、紙の雑誌は主観的に読める。自分の手と本、ひいては作品世界が接続している、没入できる。タブレットでの読書には少し距離を感じる、客観的というか。雑誌の決して上質とは言えないあの紙質も親密さの向上に一役買っている、このジャンクさも重要。雑誌をめくると頁が自然にアールを描いて歪むが、それも独特の味になる。また、漫画は普通2頁見開きがひとつの単位として構成されているので、そのメリットを享受するには紙媒体の方が都合がいい(今月号のシノハユのクライマックス、p308〜311のシーケンスなどに顕著)

 

ヤンガンもビッガンも近くのコンビニでは売っていないのでわざわざ大きな書店に行かないと買えないし、そうした意味ではKindleで買えるのは本当にありがたい。日付が変わってすぐ布団に入ったままiPadで読み始めることが出来るんだから。あと沢山の号を携帯できるのも嬉しい。掲載している内容も同じだし普通に考えれば電子版の方がメリットが大きい。9割方は電子版に軍配が上がるだろう。

 

しかし残りの1割、こと「体験の強さ」という点においては物理版が圧倒しており、これは他の全てのデメリットを覆す力がある。

 

要は脳みそのモードの問題だと思う。訓練次第で電子版から受け取れる体験の質をより高めることは出来るだろう。また、世代的なものもあるかもしれない。物理書籍で育った私達の世代とは違い、電子書籍がありふれた環境で育った世代はこんな感覚は抱かないかもしれない。あるいは逆にそうした人たちの方が紙の本を読む際のプレミア感が増すのかな? わっかんねー

 

理想としては、新聞でやってるような物理版宅配+電子版の配信を、片方の料金+2〜3割ほどでやってくれるサービスは生まれないものか。ぜったい申し込むんだけど。まああれは各新聞社が自前で物理版配達網、電子版配信システムを揃えているから出来ることか。

 

記事タイトルに対する答えは「発売日に入手できるならできるだけ物理版、無理なら電子版」になる。でも現状だとしばらくは両方買う生活が続きそう。早く新聞のように朝起きるとポストにヤンガンとビッガンが差し込まれてる世界になればいいのに。